意外と知らない? 血圧を決める「五大要素」とは

 

意外と知らない? 血圧を決める「五大要素」とは

 

高血圧は日本人の「国民病」と言っても過言ではないくらい、多くの人々を悩ませている疾患です。様々な疾患を引き起こすのが、高血圧症状の恐ろしい点のひとつです。

特に「心筋梗塞」や「脳卒中」は、日本人の死因の上位に位置する疾患となっています。

 

 

そんな高血圧の原因として、まず「塩分の摂りすぎ」や「ストレス」が挙げられますが、いったいなぜそれらが原因で血圧が高くなってしまうのでしょうか。

その高血圧症状原因を究明していく前に、ここではまず、血圧の数値を決定付ける「要素」について、詳しく見ていきましょう!

 

 

1.血圧を決める要素とは

 

血圧とは「血管にかかる圧力」のことですが、この血圧を決定させる要素とは、いったい何なのでしょうか?実は次の5つの要素が、血圧に深く関係しているのです。

 

(1)心拍出量(心臓が身体に血液を送り出す量)

(2)末梢血管抵抗(細い血管の広がりにくさ)

(3)循環血液量(全身に流れている血液量)

(4)血液の粘着度(血液の流れにくさ)

(5)大動脈の弾力(太い血管の柔らかさ)

 

これだけでは少し分かりづらいかもしれませんね。そこで、これらの「五大要素」が血圧に与える影響とその原因について、これから詳しく見ていきましょう。

 

 

(1)心拍出量が多いほど、血圧が高くなる

 

「心拍出量」とは、心臓が身体に血液を送り出す量のことです。血液の流量が多いほど、血管にかかる負荷(血圧)も自然と高くなります。

 

心拍出量が増える主な要因は、血液の流れにくさにあります。血流の悪さを改善するために、心臓がは強く鼓動して血液の流量を増やそうとします。そのため血圧も高くなるのです。

 

また、運動中にも心拍出量は増大します。身体が必要とするエネルギーが多いほど、より多くの血液を身体の組織が必要とするからです。

 

 

運動後は血管が拡張しているため、血圧は下がります。日頃から適度な運動を繰り返すことによって、心肺機能が向上して血管も拡張するため、血圧は適度に下がっていきます。

 

 

(2)末梢血管抵抗が高いほど、血圧が高くなる

 

「末梢血管抵抗」とは、細い血管の広がりにくさ、つまり「抵抗」のことです。抵抗が強いと血液が流れにくくなるので、心臓はより強く鼓動して末梢血管に血液を行き渡らせようとします。

 

先ほどと同じように、血管にかかる負荷も強くなるので、血圧が上がります。

 

 

(3)循環血液量が増えるほど、血圧が高くなる

 

「循環血液量」とは、全身に流れている血液量のことです。先述の「心拍出量」と似ていますが、こちらは体内に流れる血液の全体量になります。

 

同じ時間で一度に多くの水を流すのと、少ない水を流すのでは、水量の多い方がより強く水を流す必要があります。血管でも同様になります。そのため、一般的には体重が多いほど、血圧が高くなる傾向があります。

 

 

そのため「適度なダイエット」は血圧を下げる効果もあるので、非常におすすめできる高血圧対策です。ただし、あくまで「適度な運動」です。激しい運動や筋力トレーニングなどの無酸素運動は、急激に血圧を上げてしまうので、高血圧の方には非常に危険です!

 

 

(4)血液の粘着度が高いほど、血圧が高くなる

 

「血液の粘着度」とは、血液の流れにくさを意味しています。血液は血漿(けっしょう)と呼ばれる「液体成分」と、赤血球や白血球などの「固形成分」から成り立っています。

 

様々な原因によって、液体成分が減って固形成分が増えると、血液の粘着度が高くなります。ドロドロとした血液は、交通渋滞のように流れが悪くなってしまいます。

 

 

やはり心臓は、流す血液の圧力を強めることでこれに対処するので、血圧が高くなります。

 

 

(5)大動脈の弾力が低いほど、血圧が高くなる

 

「大動脈の弾力」は、太い血管の柔らかさを示しています。いわゆる「動脈硬化」などにより大動脈が硬くなってしまうと、血管の壁がもろくなります。血管の壁が損傷を受けると、抵抗となって血液が流れにくくなるので、血圧が上がります。

 

動脈硬化とは、血管の弾力性が失われて固くなったり、コレステロールなどが血管の壁に付着して、血液の通り道が狭くなったりする症状のことです。

 

血圧は以上の「五大要素」によって決まります。このように血圧には様々な要素が絡んでいるので、血圧は循環器系の健康度を総合的に判断するための、非常に重要な指標であるとも言えます。

 

 

 

2.おわりに

 

以上が血圧の数値を決定付ける「五大要素」の詳細となります。いかがでしたか?

 

高血圧症状は様々な要因が重なって起きる疾患です。広い視野から見て対策を練ることで、より効果的な高血圧対策をとれるようになりますね!

 

 

はなまる健康茶