高血圧ってなに? 高血圧の基礎知識

 

 

最近は日常生活で「高血圧」という言葉を聞くことが、多くなったのではないでしょうか。今や多くの人々が、高血圧を気にしていますよね。

 

 

医学は医療従事者の専門知識であり、一般の人々が気にする必要はない…というのはもはや昔のこと。特に現代社会において、高血圧の脅威は我々の日常生活の身近に潜んでいるのです!

 

健康診断で最も重要な要素のひとつが「血圧」で、ちょっと体調が悪くて病院へ行ったときでも、すぐに血圧を測定されることがありますよね。

 

 

そんな「高血圧」ですが、その名前や危険性ばかりが先行して、意外と基本的なところを忘れてしまいがちです。そこで、血圧の基本的な知識について、高血圧とは?について、これから詳しく見ていきましょう!

 

 

1.血圧とは?

 

高血圧とは、その名のとおり血圧が高いことなのですが、そもそも「血圧」とはいったい何のことなのでしょうか?

 

水道のホースを思い浮かべてみると、とても分かりやすくなります。水を流すとホースが膨らみますよね。これは水の流れる「圧力」によって、ホースの壁が外側に押し出されているからです。

 

血圧も血の流れる「圧力」によって、ホース(血管)の壁が外側に押し出されている

 

血管でも同じことが起きているのです。血液はポンプのように心臓から全身へ送り出されます。その血液が血管を流れて、酸素や栄養分などのさまざまな必要なものを、全身へ届けているわけです。

 

 

心臓のポンプが収縮すると、一気に血液が押し出されます。次に心臓のポンプが拡張すると、肺などの血液が心臓に吸収されて戻ります。

 

この心臓が「収縮」および「拡張」しているときの、血液の流れの「圧力」が、一般的に「血圧」と呼ばれているものの正体なのです!

 

 

2.血圧の基準値とは?

 

物事に正常な範囲の「基準値」があるように、血圧にも「基準値」と呼ばれるものがあります。果たして血圧の基準値は、どれくらいなのでしょうか。

 

一般的には「135/85mmHg未満」が正常値だと言われていますが、実際にはそれほど単純に判断してよいものではありません。年齢や性別によって、適正な数値も変わってくるからです。

 

また、血圧の基準値は年々厳しくなっている傾向にあります。時代によって血圧の目安も異なってくるのであり、「この数値だから危険!」や「この数値なら安心!」というような、絶対的な基準値があるわけではありません。そのため、あくまで「目安」としてご覧ください。

 

 

(1)男性の血圧の基準値

 

20歳代: 118 / 75 mmHg

30歳代: 125 / 79 mmHg

40歳代: 131 / 84 mmHg

50歳代: 138 / 85 mmHg

60歳代: 143 / 84 mmHg

70歳代: 147 / 80 mmHg

 

 

(2)女性の血圧の基準値

 

20歳代: 113 / 76 mmHg

30歳代: 115 / 71 mmHg

40歳代: 125 / 71 mmHg

50歳代: 133 / 81 mmHg

60歳代: 141 / 81 mmHg

70歳代: 146 / 78 mmHg

 

 

「mmHg」という単位が分かりづらいですが、これは単に「圧力」を示す単位だとお考えください。「ミリメートル・エイチジー」と読みます。ちなみに、760mmHgが天気予報などでよく聞く1013hPa(ヘクトパスカル)、つまり1気圧と等しくなります。

 

ご覧のように、一般的に男性は女性よりも血圧が高めの傾向にあります。これは主に生活習慣の違いによるものです。また、年齢が高いほど血圧も高くなっていますよね。

 

 

加齢とともに身体の機能が衰えて、動脈硬化などの血管の老化も進むからです。高齢になるにつれて血圧もある程度高くなっていくのは、当然のことだとも言えまね。

 

「高血圧」は血圧が通常よりも高いことを指しますが、上記の基準値より20以上も高い場合は、高血圧の可能性があると判断してもよいでしょう。

 

 

3.血圧の上と下って?

 

よく血圧の「上」や「下」という言葉を聞きますが、それはどんな意味があるのでしょうか?実はとても簡単なことなんです。

 

先ほど血管の流れに関して、心臓が収縮するときに血液が押し出され、心臓が拡張するときに心臓に血液が戻るという話をしました。

 

血圧の「上」と「下」は、正式には「収縮期血圧」と「拡張期血圧」と呼びます。その名のとおり、収縮期血圧は心臓が収縮するときの、拡張期血圧は心臓が拡張するときの血圧を指すわけです。

 

 

上の血圧だけに注目される方も多いですが、血圧は上も下もどちらも大切なんです。たとえ収縮期血圧が低くても、拡張期血圧が高いのはよろしくありません。

 

また、高齢になるにつれて、今度は逆に拡張期の血圧が低くなり、収縮期の血圧が高いようになる傾向があります。これは「動脈硬化」が進んでいる影響ですが、動脈硬化についてはまた後日、詳しく見ていきましょう。

 

「収縮期血圧」と「拡張期血圧」のどちらが、心血管疾患(心筋梗塞や脳梗塞)に関係するのか、医学会では多くの研究が続けられました。その結果、どちらも大切だという研究結果が出ています。血圧も「バランス」が重要だということですね!

 

 

 

 

4.おわりに

 

高血圧についての基礎的な知識を詳しく見てきました。いかがでしたか?

 

高血圧は日本人の国民病と言ってもいいくらい、多くの人を悩ませている疾患です。基礎からしっかり確認しておくことで、高血圧へのより効果的な対策を立てることができます。

 

 

日頃から体調管理に留意して、ぜひとも健康的な生活を送りたいものですね!

 

 

 

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